- Starlay Financeの概要と仕組み(Astar Network上のレンディングプラットフォーム)
- Starlay Financeでの具体的な預け入れと借り入れの方法
- 「魔界」機能を使った高レバレッジ運用の手順と注意点
- Starlay Financeの利用におけるリスクと対策
ASTRを保有しているけれど、単に保管しているだけで物足りない。何か機会損失をしているのではないか?
そんなあなたに、Starlay Financeという新しい選択肢があります。
この記事では、Starlay Financeの基本的な使い方から、レバレッジを可能にする「魔界」機能まで、具体的な手順を解説します。
リスクと対策についても詳しく触れているので、利用の際は是非参考にしてください。
ASTRを活用して効率的に資産運用をしたい方、ぜひご覧下さい。
※リスクが伴うのでご利用は計画的にお願いします。
Astar系DeFiプラットフォーム「Starlay Finance」とは?
Starlay Finance公式サイト
https://starlay.finance
Starlay FinanceとはAstarNetwork上で2022年3月1日にローンチ(サービス開始)されました。
Astar Networkについてはコチラで詳しく解説しています。
- レンディングプラットフォームとは?
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自分の保有している仮想通貨を貸し出します。
貸出した仮想通貨を担保に、新たに仮想通貨を借りることができます。
レンディングプラットフォームは、貸し出したトークンを利息としてもらうだけではなく
独自トークン(仮想通貨)を発行することがあります。
$LAYはまだ取引所には上場しておらず、4/28と5/6の2回に分けてIDOが開催されました。
- IDOとは?
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「Initial DEX Offering」の略語です。
DEX(分散型取引所)で仮想通貨を販売します。
DEX取引所に上場にする前に先行販売されるので投資家は将来の値上がりを期待して購入します。
株式でよく行われるIPO(新規公開株式)同様、資金調達が主な目的となります。
Starlay Financeは現在、ポルカドットエコシステム(経済圏)の中でTVL(預けられている総額)が最も高く約543億円もあり、これから期待されているプロジェクトです。
Starlay FinanceはAstarNetworkのインキュベーションプログラムで進められた数少ないプロジェクトの1つです。
Starlay Financeは開発のスタートの段階でAstarTeamや様々なVCにサポートされてきました。
ArthSwapやAcala、AstridDAOなどたくさんのプロジェクトとのパートナーシップを結んでいます。
※VCとは、プロジェクトに投資している会社のことです。
- Astarインキュベーションプログラムとは?
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開発のあらゆる面に対してAstarNetworkによってサポートされます。
創設者の渡辺創太氏も「Starlayは、私たちのエコシステムで足りないDefiを埋める最初のAstarネイティブ融資プロトコルです。Astarの1億ドルのブーストプログラムからサポートします。」と述べています。
DeFiプラットフォーム「Starlay Finance」の始め方
Starlay Financeを使うにあたって準備しておくものを紹介します。
※2022年5月時点で「Starlay Finance」はモバイル端末からのアクセスをサポートしていません。PCからの利用を推奨します。
Starlay Financeを利用するのに必要なもの
- パソコン
- メタマスク(MetaMask)
- 仮想通貨(ASTR、DAI、USDC、USDT、BUSD、WETH、WBTC、MATIC、BNB、WSDNのいずれか)
メタマスクはソフトウェアウォレット
ソフトウェアウォレットは仮想通貨をPCやスマホで管理する財布と考えてください。
仮想通貨を扱う上で必須なメジャーウォレットです。
国内取り扱いのある通貨
用意する仮想通貨
- ASTR
- DAI
- USDC
- USDT
- BUSD
- WETH
- WBTC
- MATIC
- BNB
- WSDN
この中で国内で買える仮想通貨は
仮想通貨 | 国内取引所 |
---|---|
ASTR | ビットバンク |
DAI | GMOコイン・ビットバンク |
ETH※1 | コインチェック ビットバンク GMOコイン |
BTC※1 | コインチェック ビットバンク GMOコイン |
MATIC | ビットバンク |
どの通貨を選択しても問題ありませんが、ASTR(Astar)が安く送金できるのでおすすめです。
Starlay Financeの使い方
Astar系「Starlay Finance」の使い方を画像付きで紹介していきます。
Starlay Finance公式サイト
https://starlay.finance/ja/app
公式サイトへアクセスします。
ダッシュボード画面の説明をしていきますね。
- 預金残高→あなたが預けている合計額
- 借入残高→あなたが借りている合計額
- 総利回り→全ての利回り
- 借入上限額→借入限度額の何%借りているか
- ヘルスファクター→あなたの借入の安全性。1以下になると強制決済
- 預金市場
- 借入市場
- 預入APY→その資産がもらえる利回り
- ボーナスAPR→LAYがもらえる利回り
- 借入APY→その資産での支払い利息
- 預入残高→資産ごとの預け入れた額
- 借入残高→資産ごとの借り入れた額
- LAYの残高→クリックすると見れます
USDCの預け入れと借り入れの方法を解説していきます。
※USDCは国内取引所で買うことができません。
海外取引所のBYBIT(バイビット)で購入することができます。
\ 日本語対応の取引所/
Starlay Financeの預け入れ方法
USDCを預入していきましょう。
【ダッシュボード】をクリック
預け入れたい資産をクリック
- 預け入れる仮想通貨の数量を入力
- 仮想通貨の数量とAPY・APRを確認し【預入】をクリックします。
メタマスクでアクセス権限を与える【確認】をクリック
トランザクションを通す【確認】をクリック
預入残高に反映されているか確認してくださいね。
これで「預入」が完了です。
結構かんたんでしたね。
次は借り入れを見て行きましょう。
Starlay Financeの借り入れ方法
1USDCを借り入れしていきます。
借り入れしたい資産をクリック
- 借り入れしたい仮想通貨の数量を入力します。
- 借り入れする仮想通貨数量とAPY・APRを確認し、【借入】をクリックしてください。
メタマスクでトランザクションを通します。
借入残高に反映されているか確認してくださいね。
Starlay Financeの【預入】と【借入】がこれで完了です。
Starlay Financeの魔界とは?
Starlay Financeには、マーケットで預け入れ(Deposit)と借り入れ(Borrow)を繰り返すことができます。
繰り返すことでたくさんの$LAYを獲得できるループ機能があります。
Starlay Financeは預け入れだけでなく、借り入れの際にも$LAYを獲得できます。
繰り返すことで元の資産を最大5倍にして高いAPYを得ることができます。
例:LTV(Loan to Value 担保に借りることができる資産の最大額)が80%の場合、1USDCを担保にする場合
- 1USDCを担保にして、0..8USDCを借りる
- 「1」で借りた0.8USDCを担保にして、0.64USDCを借りる
- 「2」で借りた0.64USDCを担保にして、0.512USDCを借りる
27回実行することにより、最大5倍のレバレッジを効かせることができます。
これを魔界は自動で行ってくれます。
5xボタンを押すと最大まで借り入れしてくれます。
数を4x.3xと減らしていくと、預金に対する借り入れの割合が低くなっていきます。
それぞれの資産ごとにLTVが異なります。
LTV値が低い通貨は、5倍にはなりません。
たとえば、SDNのLTV値は40%であり、1.5倍しか活用できません。
各資産のLTVに関してはリスクパラメーターを活用してください。
https://docs.starlay.finance/asset/risk-parameters
- ヘルスファクターとは?
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借り入れが安全かどうかの指標となります、1.5以上を保つようにしましょう。
ではこのヘルスファクターはどのようにして決められているのでしょうか。
- 精算しきい額とは?
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ポジションが担保不足とみなされるパーセンテージ。
それぞれの資産の精算しきい額は先程のリスクパラメーターに記載されています。
例:100USDTを魔界でレバレッジ5倍で運用したい(400USDTを借りたい)場合
- ヘルスファクターを1.5以上にするためには、約4倍の400USDCかそれと同じ価値のASTR.WBTC.WSDN以外の資産の預け入れが必要です。
詳しい計算式は覚えなくても構いませんが、魔界で運用していく場合は運用額の4倍程度をデポジットしなければならないことを理解しておいてください。
Starlay Financeの魔界の使い方
実際の画像をお見せしながら説明します。
28USDCを預け入れて、その4分の1の7USDTを借り入れます。
借り入れした7USDTを魔界でレバレッジ5倍で運用してみました。
ヘルスファクターは「1.5」になるようにしています。
預け入れと借り入れの説明はコチラ→Starlay Financeの使い方 | 預け入れと借り入れ方法
【魔界】をクリックします。
預入が28ドル、借入が7ドルになっています。
借り入れた資産USDTをクリック。
魔界はウォレットに残高がある資産のみ運用できます。
- 魔界ループする仮想通貨の数量を入力します。
- レバレッジを選択します。今回は5xに設定します。
- 入力した仮想通貨数量とレバレッジを確認し、【ループを開始する】をクリックします。
ダッシュボードでそれぞれの金額を確認してみましょう。
ヘルスファクターが1.54となり、USDTの預け入れと借り入れが約5倍になりました。
魔界は必ずしも期待どおりに機能するとは限りません。
次は魔界のリスクを説明していきます。
Astar系 Starlay Finance 魔界のリスクを解説
DeFi全般に共通するであろうリスクです。
他のDeFiを利用している場合も同様に考えてください。
DeFiプラットフォームのハッキングリスク
ハッキングリスクはDe-Fiプロジェクト全般に言えること。
スタートしたばかりのプロジェクトは、そのときの完全な状態でリリースをします。
その後、どのプロジェクトもバージョンが上がっていきます。
バージョンが上がるということは逆に考えると、スタート後に脆弱性が発見され対策をしているとも考えられます。
そう言った意味では、若いプロジェクトはハッキングされるリスクが高いとも言えます。
個人の対策としては、リスク分散させるため資産を複数のプロジェクトで利用するのも対策となるでしょう。
預けた資産の価値が下がり、強制決済される可能性がある
$ASTRを例に考えていきましょう。
$ASTRは4月10日に高値を付けて移行、急激な下落が起きました。
仮に$ASTRを高値近辺で担保にして通貨を借りていた場合
$ASTRの価値が半分以下となれば強制決済となる場合がほとんどでしょう。
リスクを考えるとボラティリティ(価格変動幅)の少ないステーブルコインを担保として預けて、借り入れする通貨もボラティリティの低いものにすることでリスクを抑えることができます。
これもDeFiプロジェクト全般に言えることなので覚えておくと役に立ちます。
LUNAショックが記憶に新しいですが、時価総額の大きなLUNAでさえ数日で99%の暴落。。。
草コインとまではいかないにしても、始まったばかりのトークンやコインはリスクが大きいことは理解しておくことが大事です。
ASTRはdApp Staking(ステーキング)もおすすめ
Astar NetworkにはdApp Stakingというものがあります。
投資家もサービス提供者の両者にメリットがあるユニークなステーキングです。
独自トークン$LAYのIDOについて
Starlay Financeの独自トークン$LAYが4/28と5/6にIDOを2回に分けて実施しました。
IDOについてはコチラで戻れます→Astar系DeFiプラットフォーム「Starlay Finance」とは?
IDOのやり方もプロジェクトによって様々です。
- ローンチパッドといってIDO専用のプラットフォームがあります。
- プラットフォームのトークンを一定数以上持っていれば、その割合に応じて新規プロジェクトのトークンを優先的に購入できる
- 時間・開催する場所、1トークンあたりのプライスだけ知らせ、あとは時間になったら早押しというものもあります。
Starlay Financeの$LAYはどのように開催されたのか見ていきましょう。
1回目
ArthSwapで開催されました。
日時 | 4/28 11:00AM UTC 日本時間20:00 |
場所 | ArthSwap |
購入方法 | 早押し |
価格 | $0.15 |
供給量 | 0.5%($750000) |
Starlay Financeはサイト内で$LAYの価格を$0.3に設定しています。
1回目のIDOは半額セールをしていたということになりますよね。
そのため、争奪戦となりわずか5分で売り切れました。
一般的に考えられるのは、将来値上がりするかどうかでしょう。
- 将来をどこに設定するか。(一週間・一ヶ月・一年など)
- 値上がり価格をいくらに設定するか。(何%・何倍など)
- 検討した結果、期待値が高いと判断した場合はセール価格が割高でも参加してみる。
「色んな角度で検討したけど、思っていた以上に価格が上昇しなかった」ということは、よくあります。
2回目
Starlay Fainanceで開催されました。
日時 | 日時→5/6 11:00AM UTC 日本時間20:00 |
場所 | Starlay Fainance |
販売方法 | オークション形式 |
価格 | 固定されない |
供給量 | 5% |
販売方法がオークション形式ということもあり、供給量も第1回目の10倍でした。
市場での$LAYの急激な増加を防ぐため、1回目・2回目ともに12ヶ月の権利確定期間が適用されます。
1年間の間に少しずつ$LAYが配布されていきます。
※権利確定期間とは、定められた期間まで売却できません。トークンの価格維持のため、一気に売り圧力が掛かることを防ぐために運営が行うことがあります。
まとめ
Astar系DeFiのStarlay Financeを解説してきました。
まとめ
- 預入と借入が出来る「レンディング」
- 預入と借入を自動で繰り返して仮想通貨を稼ぐ魔界の使い方
- 仮想通貨業界でよく使われる「IDO」の解説
魔界とは上手に使うことで利益を狙える新しいレンディングプロトコルでした。
DeFiを使い寝かせている仮想通貨を上手に資産運用してみてはいかがでしょうか。